映画ネタバレと感想

映画【ドント・ウォーリー】ネタバレあらすじ「ガス・ヴァン・サントが贈る優しさあふれる人間賛歌」感想評価も

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2010年、59歳で他界した車椅子の風刺漫画家ジョン・キャラハンの半生に俳優ロビン・ウィリアムズが魅了され、ジョンの自伝「Don’t Worry, He Won’t Get Far on Foot」の映画化権を取得。

ロビン・ウィリアムズ亡き後、その意思を「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」のガス・ヴァン・サントが引き継ぎ、見事に映画化。

半身不随となり、アルコールに溺れ一度は絶望するも、持ち前のユーモアで立ち直っていくジョンの半生を優しく描きます。

ここでは、映画「ドント・ウォーリー」のあらすじを「ネタバレなし」、「ネタバレあり(結末まで)」のパートに分けてご紹介します。

後半では、感想評価について書いていますので、そちらもぜひご覧ください。

【ドント・ウォーリー】予備知識

「ドント・ウォーリー」の予告動画

公開日(日本):2019年5月3日

監督:ガス・ヴァン・サント

キャスト
ホアキン・フェニックス(ジョン・キャラハン)
ジョナ・ヒル(ドニー)
ルーニー・マーラ(アヌー)
ジャック・ブラック(デクスター)

作品概要
アルコール依存症のジョン・キャラハンは、自動車事故により車椅子生活を余儀なくされてしまいます。

自暴自棄となり、ますます酒に溺れ周囲とぶつかるジョンは、いくつかのきっかけで強い自分を取り戻していきます。

車椅子の風刺漫画家という難しい役柄を見事に演じたホアキン・フェニックスにはもちろん、ジョンを支える恋人アヌー役を演じたルーニー・マーラの美しさにも注目です。

【ドント・ウォーリー】あらすじ(ネタバレなし)

車椅子の風刺漫画家ジョン・キャラハンは、自身の講演会や禁酒会のグループディスカッション、ときには車椅子から転げ落ちてしまった時に助けてくれた少年たちに向かって、これまでの人生を回想し、語りかけます。

—オレゴン州ポートランド。—

アルコール依存症のジョンは目が覚めると、早速酒を買うために外出し、飲み歩きながらナンパをし、自由気ままな一日を過ごしていました。

夜になりバーに行くと、同じく酒好きのデクスターという男と意気投合し、ベロベロになるまで酒を飲み、二人とも酩酊状態のまま車に乗り込みます。

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ジョンが目を覚ますと病院のベッドに繋がれており、医者の説明によると、デクスターの運転する車が電柱に激突し、なんとか一命はとりとめたものの、胸から下に麻痺が残り、指も動かせない身体になってしまっていました。

一方、デクスターはかすり傷のみで、とっくに家に帰ったと医者は言います。

絶望に打ちひしがれるジョンでしたが、セラピストのアヌーという美しい女性がジョンの元に訪れます。

週一度だけ看病に訪れ、元気づけてくれるアヌーの助けもあり、ジョンは次第に回復していき、電動車椅子を与えられ退院します。

ジョンは住み込みでやる気のないヘルパーのティムの介護を受けながら暮らすこととなりますが、不自由な身体のため、思うように酒が飲むことができず、ティムや周りの人間に当たり散らします。

そして、アラノクラブというアルコール中毒患者のための禁酒会を訪れます。

禁酒会の主催者ドニーは、自身もアルコール中毒を克服したユーモアに溢れた人物であり、ジョンはこの禁酒会が気に入り、ドニーに助けを求めることにします。

グループディスカッションでジョンは、これまでの人生を振り返り、なぜ酒を飲むようになってしまったのか話すようにドニーに言われ、皆に話し始めます。

しかし、別の参加者達から自己憐憫は馬鹿馬鹿しいと笑われてしまいます。

ジョンは怒りをあらわにするものの、皆ジョンと同じように重大な問題を抱えていることがわかり、同じような境遇にある人々が集まるこの禁酒会をますます気にいるのでした。

ジョンが酒を飲むようになったきっかけは、母親に捨てられたということでした。

ある時、過去にジョン自ら描いた似顔絵を持ち、母親の戸籍を確認しにいったものの、情報非公開のため確認することが出来ませんでした。

家に帰ったジョンは、母親の似顔絵を前に泣き出してしまいますが、その時、母親が背後からそっと肩に手を触れてくれたように感じ、この不思議な出来事はジョンが禁酒を決断するきっかけとなったのです。

ジョンはますます元気を取り戻していき、大学で絵を習い始め、ある時立ち寄った本屋で、アヌーに再会します。

アヌーはスカンジナビア航空のキャビンアテンドとして活躍しており、ジョンは食事に誘い、仲を深め、恋人関係となります。

以下、結末までのネタバレになります。ご注意ください。
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【ドント・ウォーリー】あらすじ(ネタバレ)

ジョンは風刺漫画を描き始め、地元の新聞に掲載されたことを大喜びし、道ゆく人々に掲載された漫画を見せて回ります。

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しかし、中にはジョンの差別とも受け取れるブラックユーモアに対し、嫌悪を露わにする人もいました。

禁酒が順調ということもあり、ドニーは次のプログラムをジョンに課します。

それは、これまでの人生を振り返り、過ちを犯してしまったことは謝り、許せないと思っていた人たちを許すというものでした。

ジョンは母親に捨てられたという過去をさらに掘り下げていき、養子として迎えられた家で、養父から家族の一員として受け入れられていなかったことが、アルコールに逃げてしまった一番の要因であったことを自覚します。

ジョンは義父を許すことにしました。

また、学生時代に授業中に問題を起こして迷惑をかけてしまった教師や、わがままを言ってしまった障がい者福祉施設の担当者、万引きをした呉服店など、数多くの人たちに自身の過ちを謝りに行きます。

そして、自動車事故の後逃げてしまったデクスターにも会いに行きます。

デクスターはレストランの厨房で働いており、ジョンが目の前に現れたことを驚き、事故以来ずっと罪の意識に苛まれていたと話し泣き出してしまいます。

ジョンはデクスターのことも許し、罪の意識を負わせてしまったことを謝罪するのでした。

ドニーに許しや謝罪のことを報告したジョンでしたが、自分自身は許したのか? と問いかけられます。

自動車事故の日、デクスターが酩酊状態であるということを分かっていながら車に乗り、結果として半身不随となってしまった自分自身の行いを許さなければならないと、ドニーは言うのです。

ジョンは見事にアルコール中毒を克服し、講演会ではアヌーやティム、デクスターらがジョンの話す様子を優しく見守っているのでした。

【ドント・ウォーリー】感想と評価

物語は、ジョンが講演会やディスカッションなどで、これまでの人生を振り返る形で進行していき、時系列がバラバラのため、ジョンは身体が不自由ながらもなぜ漫画家になったのか? といった、一見重大に思える出来事は明確に語られません。

なぜ漫画家になり、どのように成功していったかというよりも、アルコール中毒で、身体が不自由になってしまい、一度は絶望の淵に突き落とされるも、どのようにしてそれを克服し、人間本来の強さを取り戻していくか、ということが重点的に語られているのです。

それは、自分の罪を認め、他人の罪を許すことであるということがこの映画では語られています。

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これはジョンの描いた漫画の一コマで「Don’t Worry, He Won’t Get Far on Foot(大丈夫、彼の足ではそう遠くへは逃げることができない)」と保安官は言っています。

この一コマからも、ジョンは自身の現状を全て認め、受け入れていることがよくわかります。

黒人や同性愛者を揶揄するような一コマも登場し、差別的な要素が一部の人々の反感を買うことにはなってしまいましたが、「こんな自分も笑えるけど、そういう君もなかなか笑えるよ。どんな弊害も笑い飛ばしてしまおうよ。」いう想いが、ジョンの漫画には込められているのだと感じました。

まとめ

「アルコール中毒で自業自得で半身不随になってかっこ悪いだろうけど、君はこんなところがダメでかっこ悪いよな。」ということを笑い飛ばしてくれる人がいることが、どんなに素敵なことか教えてくれる作品です。

どんなに最悪な状況に陥っても、人間は強くなことができると信じる勇気がもらえました。