映画ネタバレと感想

映画【ラストレター】ネタバレあらすじ!人生を変えた恋と手紙の物語…感想レビューも

(C)2020「ラストレター」製作委員会

「君にまだ
ずっと 恋してるって言ったら
信じますか?」

突然の姉の死と、思いがけない初恋の人との再会。

20数年を経て封印が解かれたような手紙と、それによって掘り起こされていく切ない気持ちが交錯していきます。

世代を超えて流れていく慈しみの心が、杜の都仙台の情景に美しく綴られていく、そんな作品です。

ここでは、映画「ラストレター」のあらすじを「ネタバレなし」、「ネタバレあり(結末まで)」のパートに分けてご紹介します。

後半では、感想レビューを書いていますので、そちらもぜひご覧ください。

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【ラストレター】予備知識

「ラストレター」の予告動画

公開日(日本):2020年1月17日

監督:岩井俊二

キャスト
松たか子(岸辺野=遠野裕里):遠野美咲の妹。43歳。漫画家の宗二郎と結婚し、長女・颯香、長男・瑛斗と仙台市泉区の戸建てに暮らしている。

広瀬すず(遠野鮎美):遠野美咲の娘。16歳。母を亡くして、白石市にある母の実家で祖父母と暮らしている。

(遠野美咲):回想シーンに登場。18歳。裕里の姉で、鮎美の母親。高校生の頃は生徒会長を務めた人気者だった。

森七菜(岸辺野颯香):裕里の長女14歳。夏休みを鮎美と一緒に実家で過ごしていた。

(遠野裕里):回想シーンに登場。高校生の頃、姉を想っていた乙坂を慕っていた。

福山雅治(乙坂鏡史郎):44歳。小説家として一冊、「美咲」という本を上梓している。

神木隆之介(乙坂鏡史郎):18歳。高校三年の6月に転校してきて、美咲に一目ぼれした。

庵野秀明(岸辺野宗二郎):48歳。裕里の夫。ホラー系の漫画家で、仙台の自宅にアトリエを構えている。

降谷凪(岸辺野瑛斗):裕里の長男。

小室等(波止場正三):79歳。裕里の姑(岸辺の昭子)の恩師。ひょんなことから、裕里と鏡史郎に自宅を提供してくれることに。

水越恵子(岸辺野昭子):72歳。裕里の姑で、宗二郎の母。

鈴木慶一(遠野幸吉):裕里・美咲の父親。

木内みどり(遠野純子):裕里・美咲の母親。

豊川悦司(阿藤):美咲の元恋人・夫。鮎美の父親。

中山美穂(サカエ):一年前から阿藤と暮らし始めた女性。美咲のことも知っていた。

作品概要
岩井俊二監督の、独特の美しい色彩感覚と、故郷・仙台の情景___心を揺さぶる恋と人生を描く珠玉の映画ができました。

広瀬すずと森七菜の二人が姉妹として、そして従妹同士として二世代の少女の姿を演じています。

福山雅治さんと、神木隆之介さん。二人が演じる一人の男・乙坂が抱え続けた“美咲”への、人生をかけた恋を、透明な空気の中で丁寧に描いていきました。

四半世紀前の映画「Love Letter」と対になる作品として、中山美穂さんと豊川悦司さんというレジェンド級の役者さんたちも、今回参加してくれました。

お二人が登場したときのサプライズ感、素晴らしかったです。

【ラストレター】あらすじ(ネタバレなし)

7月の葬儀

宮城県白石市の住宅地からほど近い川で、制服を着た子供たちの姿がありました。

暑い中で、冷たい水をパシャパシャとかけてじゃれる女の子が二人、そして男の子が一人。

やがて、スマホが鳴り、呼び戻された先は古いお寺の境内でした。

故人の名は遠野未咲。

女の子の一人は、その娘の鮎美です。

母一人、娘一人という環境で、彼女はその母を失い、これからは祖父母の家で暮らすことになるのです。

未咲の妹・裕里と、その娘・颯香、弟の瑛斗は仙台からその葬儀に参列するためにやってきていたのでした。

颯香はたった一人になってしまった鮎美の話し相手くらいにはなれるから、としばらく遠野家に滞在することになり、裕里は瑛斗だけを伴って、仙台市泉区の自宅に戻りました。

そこでは、漫画家の夫が一人でアトリエに籠って仕事をし、留守番していました。

帰り際に鮎美に渡された、未咲への同窓会の通知。

(C)2020「ラストレター」製作委員会

裕里は、それを見て…ふと四半世紀前の青春時代を思い出すのでした。

同窓会で…

葬儀からほどなくして、仙台市内のホテルで未咲の高校時代の同窓会が開かれることになりました。

裕里は、その会場に向かうと、周囲から完全に未咲と間違えられてしまい、姉の死を告げることができなくなって、思わず姉になりすましてしまったのです。

スピーチまで求められ…居心地の悪さにいたたまれず途中退席すると、その背後の会場では、姉の声の卒業式でのあいさつのテープが流れてきました。

追い立てられるようにホテルを出て、バス停のベンチに腰を下ろすと、そこに思いがけない人物が。

乙坂鏡史郎…彼は、かつて未咲を愛していた恋人であり。

そして裕里の初恋の相手でもあったのです。

乙坂は、裕里が姉に成りすましていることに気付かないふりをしてLINEのアカウントを交換し、そして“小説家”として作った名刺を渡しました。

そして“本”の話をするも彼女は全くそのことを覚えていない、というのです。

慌ただしく家に戻った裕里。

風呂に入っている間に、テーブルの上に残したスマホの画面に着信が。

「君にまだ
ずっと 恋してるって言ったら
信じますか?」

運悪く、それを夫に見咎められてしまい、スマホを壊されてしまった裕里。

それからしばらくの間二人の間はぎこちない空気が漂います。

まるでその罰だとでもいわんばかりに。

夫は二匹の犬を飼い始めました。

大型犬のボルゾイは存在そのものが高価であり、散歩やケアがとても大変なのです。

拝啓、乙坂鏡史郎さま

新宿の、乙坂の住まいにほどなく一通の手紙が送られてきました。

裕里が名刺の住所を頼りに送ったものです。

(なぜ、手紙?)

そう思った乙坂でしたが。

彼が不用意に送ったメッセージで彼女のスマホが壊されるに至った結果と、他にも未咲の“本”についてのこと…裕里は自身の住所を書かずに送ってきていましたが。

(C)2020「ラストレター」製作委員会

ここから、二人の運命的な“文通”が始まっていくのです。

乙坂は、未咲・裕里の実家宛に手紙を書き綴って送りました。

それを手に取り、封を開けてしまったのが鮎美と颯香です。

乙坂はスマホを壊されてしまった件について“ご愁傷様”という表現を使いましたが。

それが微妙に未咲のあれこれにマッチしていたことから、二人は自然に、乙坂は未咲の大切なひとであったのでは、と想像し、鮎美が母に成りすまして返事を出してしまうのです。

『乙坂鏡史郎さま。
中学時代、懐かしいですね。
わたしのこと、どのぐらい覚えていますか?』

(C)2020「ラストレター」製作委員会

裕里も、鮎美も、その文末に書いたのは「遠野未咲」の名前でした。

夫の“復讐”

(C)2020「ラストレター」製作委員会

宗二郎は、裕里に対する当てつけで実母の母・昭子を呼び寄せました。

同窓会に出るためにオシャレしてきた彼女に「同窓会で初恋の人に再会した?」としつこく聞いてみたり。

その上にボルゾイ二匹(ボルとゾイ)の世話で、裕里は毎日ヘトヘトです。

一匹を実家に託してようやく一息ついたかとおもわれた、ある日。

ふっと姿が見えなくなった昭子を探してまわると、高齢の男性と一緒に歩いていることに気付いた裕里。

思わず尾行してしまったのですが、その男性の自宅に入ったところ、ほどなくして救急車がやってきました。

ひどく苦しんでいた昭子は、なんと“ぎっくり腰”…。

入院し、それからしばらくの間は裕里が面倒を見ることになってしまうのです。

そんな昭子に頼まれて投函した封筒のあて先は、件の高齢男性でした。

彼・波止場は、実は昭子の大学試合の教師で、手紙の中身は英語の添削だった、ということがわかります。

しかも、その回答がないことに不安を覚えてその家を訪ねてみると、彼は利き手を骨折していて、文字を書くことができずにいました。

行きがかり上、彼の手伝いをすることになった裕里は、その家に不思議な居場所と時間を持つようになり、そこの住所をまるで私書箱のように書いて乙坂に手紙を出すようになったのです。

転校生だった彼

乙坂は、高校3年の6月に転校してきた生徒でした。

(C)2020「ラストレター」製作委員会

その頃すでに未咲は学校のアイドル状態でしたが、たまたま乙坂が入った生物部にいた妹の裕里は、彼が姉に想いを寄せていることに気付き「自分が手紙を渡すから」と背中を押して書かせておきながら、実は一通も渡していなかったのです。

ある日、体調を崩した友達の代わりに生徒会の集まりに出た乙坂は、未咲が自分のことも手紙のことも知らなかったことから、裕里の企みに気づいていました。

発覚してしまったときの気まずさ。

その数日後、裕里が差し出した“返事”には乙坂が予想していなかった答えが書いてあったのです。

「乙坂先輩へ。 先輩のことが好きです。 つきあってください。」

その署名は“遠野裕里”。

目の前にいた彼女の想いに全く気付くこともできないままに、姉への気持ちを書き連ねていた青春時代の自分を思い出すと、胸が苦しくなるような感覚に襲われる乙坂。

今、唯一の手掛かりである波戸場家の住所を目指し、彼は仙台へとやってきました。

そこで再会した偽物の未咲=裕里と話すことで、乙坂は自分の胸の中にあった昇華できずにいた想いを再確認することになったのです。

以下、結末までのネタバレになります。ご注意ください。


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【ラストレター】あらすじ(ネタバレ)

小説「未咲」

大学生になって、実は恋人同士になった未咲と乙坂でしたが。

ほどなく、他の男に魅せられて破局を迎えたのです。

阿藤陽一という男は、後に未咲の夫となり、二人の間には鮎美が生まれたのですが。

働くこともせず、暴力をふるう彼のせいで、未咲は心身ともに病み、結果的に死を選ぶことになってしまったのです。

冒頭の葬儀で飾られていた遺影が、享年44歳だったはずが、大学生の頃の写真を使っていたのは、その後の暮らしが荒れて、まともな写真を残す余裕もなかったのだということを如実に表していたのです。

波戸場家を訪れた乙坂は、たまたまその時に滞在していた裕里と再会。

自分と別れたのちの未咲の人生に一端に触れることになったのです。

駆け落ち同然に結婚した未咲は、酷い暴力にさらされており、ある日…実家に助けを求めてきたのは、本人ではなく、殴られて顔を腫らした鮎美でした。

急いでその住まいを尋ねた親と裕里の前に現れたのは痩せこけてボロボロになった未咲。

阿藤はその直後にふらりと部屋を出ていき、二度と帰ってこなかった、というのです。

一方、阿藤にさらわれるようにしていなくなってしまった未咲への想いを綴った小説が思いがけず賞を取ることになった乙坂は、上梓されたそのたった一冊を心の支えのようにして、彼女のことばかりを書き続けてきたのです。

残念ながら、破局を迎えてしまった二人の恋は、それ以降は彼一人のものであり、リアルな未咲のことを書くことはできないままに、二冊目に辿り着けていない彼。

それでも。

未咲は今なお、乙坂の胸の中で昔の姿のまま、生き続けていたのです。

再会、そして

波戸場家の居間で静かに会話を交わした裕里と乙坂でしたが。

その時初めて、乙坂は自分と別れたのちの未咲のことを知ることになりました。

壮絶な暴力にさらされて、やっと脱出できたというのに、その心は壊れたまま戻ることはなく、自ら命を絶ってしまったのだというのです。

「くやしいなぁ…貴方が結婚してくれていたら…」

もしかしたら、未咲の人生は全く違うものになり、今も笑って生きていてくれたのではないか…という思いが、裕里と乙坂の間に流れました。

いくらそう思っても、もう、未咲はこの世におらず。

手の届かないところに行ってしまったのだということをただただ噛み締める、切ない時間になってしまったのです。

古びたアパートで

乙坂は、波戸場家を辞してから以前未咲が住んでいた場所を尋ねてみました。

後に阿藤との結婚生活を過ごしていたはずのその住所は、繁華街の寂れた一角にあるアパートで、その部屋には「阿藤」の宛名の郵便物が投函されていたのです

ふいに明かりがついて開いた玄関ドアから、一人の女が出てきました。

しどろもどろになりながら、阿藤のことを聞くと、お腹の大きな彼女は一年前から一緒にここで阿藤とともに暮らしているのだというのです。

気づくと、彼女は阿藤に連絡を取り、彼が今呑んでいる場所まで連れて行ってくれました。

あらがうこともできず、乙坂は、複雑な気持ちを抱えたままで阿藤に合うことになったのです。

学生時代と変わらず、阿藤は人たらしな魅力にあふれた男でした。。

居酒屋の奥のテーブルにいた彼は、実は当時、乙坂とも面識があり…そのうえで彼から未咲を奪った、因縁の相手でも会ったのです。

未咲が死んだことを告げると、阿藤はふっと遠い目をしましたが。

彼が未咲を乙坂や周囲の人間から奪い去ったのは“愛していたから”ではありませんでした。

ただ、自身が「何者か」になりたかったから。

大学の学生でもなかった阿藤は、自身の存在のうすっぺらさから目を背けたくて、乙坂や周囲の学生たちから、特別な存在だった美しく快活な未咲を奪うことにしたというのです。

しかしそんな暮らしは破綻に向けて突き進むしかなかった、その先にあったのが、未咲の無残な死___それこそが20数年間思い続けていた未咲の“リアル”だったのです。

廃墟と、再会

(C)2020「ラストレター」製作委員会

同窓会の日に、かつての母校の建物が取り壊されることを知っていた乙坂は、その廃墟に足を踏み入れました。

埃塗れのその校舎の中で、乙坂はふと魔法にかけられた瞬間のことを思い出していました。

卒業式を間近に控えていた3月。

未咲は彼に頼みごとをしたのです。

卒業式のスピーチの原稿の推敲___「どうしてもぴんとこなくて」というそれを、彼は受け取り、階段に座り込んで読む羽目になったのです。

「何で…僕なの?」
「だって、君…作文上手じゃん」

裕里に託した手紙を、彼女は読んでいたのです。

(C)2020「ラストレター」製作委員会

「素敵な文章だったよ」

その時に手直しした原稿をもとにスピーチしていた彼女の声を、そう、すでに亡くなっていたあの同窓会で…再び聴くことになるとは思わなかったのです。

思いがけず、未咲に褒められたことで、乙坂は文章で身を立てたい、と願い…。

それは呪縛でもあり、そしてエールだったのだ、と“未咲”を上梓するに至った大切な時間を改めて思い返していたのです。

そんな、夏の終わり掛けの静寂の中で、予想を超えた出会いがあったのです。

乙坂の目の前に現れたのは、ボルゾイの“ゾイ”とともに散歩に来ていた鮎美と颯香でした。

二人は20数年前の未咲と裕里に生き写しだったのです。

そして鮎美たちも、その中年男が乙坂だとすぐに理解しました。

卒業アルバムに残された面影に気づいたからです。

鮎美たちは、未咲のふりをして手紙を書き送っていたことを詫びて、実家に誘いました。

「母に会って欲しい」___と。

手入れの行き届いた古い家の奥に、未咲の遺影は微笑んでしました。

乙坂が知っていた時期の未咲がそこにいたのです。

(C)2020「ラストレター」製作委員会

一人にしてほしい、と頼んだ乙坂は、そこで失われてしまった二人の時間を思っていました。

阿藤に壊されてしまった幸せも、彼女の死も、なにもかも、もう手の届かない、どうしようもない過去になってそこにあったのです。

しかし、未咲に生き写しの鮎美の存在はまるで何かの希望のようにそこにありました。

その部屋の書架にあった、見覚えのある黄色い背表紙。

それは“未咲”でした。

鮎美が持ってきた箱の中には、それもまた見覚えのあった古い封筒の数々。

「その手紙、この本と同じ内容だったんですけど、偶然なんですか?」

それは乙坂が清書して未咲に送った原稿でした。

彼が誰よりも読んで欲しかったのが、未咲だったから。

それを読んで、大切に残しておいてくれたのだと知り、乙坂はその物語を書いたことの意味を今更ながらに噛み締めていたのです。

未咲の、最後の手紙

鮎美のもとには、未咲の遺書が残されていました。

葬儀の時には開けられなかったというそれの中身は、実は乙坂とともに作り上げた卒業式の答辞のスピーチ原稿だったのです。

古びて色が変わったその原稿用紙にあったのは、彼女の声で鮮やかに再生された希望に満ちた言葉でした。

夏休みが終わろうとしているとき。

乙坂も、鮎美も裕里も…それぞれが、未咲を思い、前を向いて歩こうとしていました。



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【ラストレター】感想とレビュー

最初は、裕里か、乙坂が主人公なのだと思っていましたが。

観終わって思ったのは、この二つの時代通して全てをつないでいる主人公が未咲なのだということ。

そして、大人になった美咲の姿が現れない事で、ファンタジーのようなテイストが加味されているのだと思いました。

裏を返せば。

心を病んでしまった未咲の病みやつれた姿を表さない、きれいごとのようでもありますが。

それでも。

彼女の姿を投影したような鮎美の存在が、未咲自身の人生の意味を表しているようで。

そして鮎美の心根の優しさ、美しさに、最後の希望が見えたような気がして。

岩井さんのストーリーテリングの巧みさを実感すると同時に、昔の映画「Love Letter」から投げられてきた長い長い課題に一区切りついたような気持ちになりました。


↑ 美しい映画です。その裏側にある残酷さも含めて、今はもう全てが透明な光の中にあるような。


↑ 過去の傷みからの、柔らかな解放感___凄い語彙だと思いませんか?


↑ 絵を描く彼の手の指がとてもきれいだったので、是非注目していただきたい。
やってることの半分は俗物な感じなのですが…声が、当たり前ですが、ジブリの「風立ちぬ」のままで。
軽く脳を揺さぶられたような感じになりました。


↑ 年齢を重ねたからこそ、その時間に裏打ちされた深さがあって、それが凝縮されて、濃縮還元、みたいな感じ…。


↑ 森七菜さん!颯香として登場し、その姿が若い頃の母・裕里に重なった時に見えたぞくっとする感覚。
この年若い女優さんのぎりぎりのところを攻めていたように見える甘くて切ない恋の表情は必見です。
すべてが終わった後に耳に残る「カエルノウタ」の透明な歌声も素晴らしかった!


↑ この辺りは、震災の被害も多かったでしょうに。
まだ間に合いますよ、お近くの方は是非聖地巡礼を!


↑ SNS全盛の今、どうしたら手紙というツールを用いて物語が構築できるか。
岩井監督の頭の中にあったピースがハマると、こうなる、ってことなんですね。


↑ このシーン!広瀬すずちゃんの脚の美しさ!
そして、背後からあふれる光と、紺の制服のコントラスト、座った神木君とすずちゃんの立ち位置…すべて完璧だと思いませんか?

観終わって、しばし放心。
帰ってきて脳内にあふれた萌を整理するのに一度電池が切れるほどの作品でした。

岩井俊二ワールドは、観る人の好みによって難しいところもあるけれど。
これは是非「観て!」とだれかれ構わず勧めたくなる逸品でした。

なんていうか、20数年という時間を、喜びも、そして哀しみも、全て昇華して、背中を押してくれるみたいな。

年の初めに贅沢な映画を観ることができて、今とっても満足しています。

まとめ

緑の濃い風景の美しさ!

ドローンを効果的に使ったカットの美しさにハッとすることが何度もありました。

ああ、この絵は、東京では撮れない___…監督の故郷・宮城の空気の透明感や、寂れて朽ちているような飲み屋街の風情など、何とも言えない光のミルフィーユのような情景に心を奪われました。

美咲の人生の儚さと、しかし、確かに生きた証として残された鮎美の存在を、広瀬すずさんの姿を通して描くその巧みさは、同時に同じだけの時間を生きて年齢を重ねた姿をそのままさらしている豊川悦司さんと中山美穂さんのずしりとしたお芝居とあいまって、よりリアルに、鮮明に浮かび上がってきます。

もし、叶うなら。

25年後に、今度は広瀬すずさんをメインにこの鮎美と颯香の世代が大人になって、親世代を振り返る、という物語を観てみたい。

願うだけなら咎められませんよね。

10代の恋が、人生を決める…それは背中を押す力でもあり、呪縛でもあり。

それでも「誰かが覚えていてくれたら、たとえ死んでも、その人は生きているんじゃないだろうか」___という裕里の言葉は、映画という形で時間を切り取って残してきた岩井監督の心の奥底にある想い、そして慈しみの表れなのでは、と実感しています。

そうそう。

裕里たちの母親として登場した木内みどりさん。
昨年秋に急逝され、この作品が遺作になってしまいました。

登場シーンは少ないですが、さらりと温かい芝居を見せてくれました。

是非注目してみてくださいね。

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